asphalt,concrete,steel
&vibration








Statement
鋼の柱で組まれた構造体によって自立するアスファルトの仮設型自立壁。構造体には特殊な振動発生器が取り付けられており、人間の可聴域外の超低周波(25Hz以下)、50〜70dBの音圧で振動が加えられている。ゆえに、アスファルトの壁は絶えず強烈に振動する。この構造体の振動をダイレクトに受けるアスファルトの壁面は、いずれ振動による衝撃によって亀裂し、自壊し始める。それはこの展覧会の会期中かもしれないし、そうでないかもしれない。
警察や機動隊は音響兵器を用いてテロやデモを鎮圧することがある。それは人間の器官に特有の固有振動数に合わせた周波数と音圧によって感覚を混乱させたり、不快感を引き起こしたりするものだ。一方でその精密さと出力の大きさなどから、災害時の避難勧告等のアナウンススピーカーとしての利用も期待されている。
日常生活において、低周波音による体調不良や建築被害の問題やは度々取り上げられる。それは工事や道路交通等によって発生する振動によって、精神的、あるいは身体(物質)的な不調が現れるというものだ。それが人間の可聴域外の周波数の場合、それは目や耳等では知覚できないところから突如訪れる。